~②ソニー第一開発部 部長 大越明男氏との縁(前編)~


=②ソニー第一開発部部長 大越明男氏との縁(前編)=

~弊社三代目と大越氏の縁について~


一本目は『先代と大越氏との縁について』 記したいと思います。


ソニー第一開発部大越明男氏は、早稲田大学時代に博士論文にて
『 テレビブラウンの開発(トリニトロンカラーテレビ) 』について
発表されていました。

↳大越氏による博士論文
「カラー受像管の色選別機構と電子ビーム系に関する研究」


↳大越氏より謹呈された時のお手紙



大越氏が吉田進氏・宮岡千里氏と共に
試行錯誤の結果生み出された製品がまさに
『 ソニー独自方式のワンガンスリービームブラウン管 』でした。


弊社はその研究開発から量産までの
【ガラス管と金属棒融着(膨張係数)の研究加工】に関わりました。



初代トリニトロンKV-1310は1968年に発売されましたが、

開発に至るまでに発行された『ステム』の試作図面枚数からも
大越氏らのご苦労が想像されます。

↳S37年 大越氏発行図面(一部)

↳S42年 宮岡氏発行図面(一部)



大越氏は、弊社三代目(以下、先代)の
「物への閃きと人心掌握に優れていた人柄」を認めて下さり、
『 軽薄短小の時代』の先駆けとして先代と切磋琢磨しこの時代を作り上げてこられました。


弊社では豆電球(10φ)から極小型電球(3~4φ)へと更に小型化に磨きを上げ、
口金をリード線へガラス管・フィラメントの仕様についても、
先のニーズ(軽薄短小時代)に合わせて次々と変えていきました。



当時、電球に関しては先代やベテランの職人で賄っていたが需要が大幅に増えたため数多くの外注業者が受け持つようになり、
ステムに関しては若手職人さんを育て新たな技術の教育と発展に努めることで、
先代はそれぞれを掌握して、幅広く顧客のニーズに応えていたようです。


後に、弊社が電子デバイス部品事業部で様々な新製品の試作・量産を受注出来たのも、
第一開発部部長大越明男氏と先代の御蔭であると思っております。



【次回】「後編:私(現代表)と大越氏との縁について」お送りいたします。

 

2019年06月25日